2017年1月26日木曜日

トイレに流せる製品とは??

2017年1月23日(月)、公益社団法人日本下水道協会が主催する「欧米下水道専門家招聘事業 国際セミナー」に参加してきました。
カナダ国ロンドン市のバリーさんによる「下水道管路の保全に向けた市民との連携活動」という内容です。ロンドン市では油や、水に溶けないオシリふきやウェットティッシュ(カナダではシャワートイレが一般的ではなく、こういったものをオシリ洗浄につかうそう)による、下水道管やポンプの詰まりが多発して、対応に大変苦慮されているそうです。そして市民と協働でこういったものを下水道にながさない取り組みをしています。
これは家庭で廃食用油を回収するカップ


カップの裏側。油火災予防啓発。消防と協力して製作しています。
回収した油は、他の資材とメタン発酵し、エネルギーを取り出しているとのこと。スバラシイですね!!なおカップの使い方は以下のページに書いてありました。
http://www.london.ca/Your-turn

そして、こんなマスコットも持ってきていました。

名前忘れました。ウンチくんとオシッコちゃん。そしてトイレットペーパー。

ロンドン市では、トイレに流せるのはウンチとオシッコと、トイレットペーパーだけ!
という啓発を行っているそうです。

水への溶けやすさへの実験も行いました。











ちなみに向かって一番右側の「トイレに流せる製品(カナダ製)」も実はちゃんと溶けていません。このような製品は結構で回っているそう。バリーさんは業界団体とも日々たたかっているそうです。

一方で日本はどうなんでしょうか??
 国内では、トイレットペーパーのほぐれやすさのJIS規格「JISP4501」があり、
これに適合するものがいわゆるトイレに流して良い製品としているとのことです。
ところが、おしりふきやトイレクリーナー等ではパルプ製品(JIS合格)と不織布製品(JIS不合格)両方が「トイレに流せる」として流通しています。不織布製品は価格が安いのが魅力ですが、最悪お家の配管も詰まってしまう恐れがあります。
このことについて、消費者庁は2012年に景品表示法に抵触すると判断、警告を出して業界、ユーザーに注意喚起しています。

消費者庁「トイレクリーナーの表示に関する実態調査結果について」
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/121221premiums_1.pdf

立場上メーカー・製品名は言えませんが、1989年に初めて出回ったトイレクリーナーはパルプ製ですんなり溶けます。驚くほどです!メーカーのHPでもJIS規格に適合することを告知しています。ちなみにこの製品はメーカーの特許が切れ、他メーカーでも同じものを出しているようです。

どうかお店で購入するときは、ちょっと気にかけていただけたら幸いです。


下水道いろいろ担当 高橋

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